2005/8/6-7 Dproject 夏の合宿研究会inみちのく

はじめよう!
   あらわそう!
     つなげよう!

    
ITでつくる確かな学び
      〜授業を楽しくするコース別ワークショップ〜


主催:D-project夏の公開研究会inみちのく実行委員会
共催:みちのく情報教育フォーラム
後援:宮城県教育委員会

D-projectがみちのくにやってきた!

 8月6日・7日、宮城県、くりこま高原駅から徒歩0分?!の「エポカ21」に、D-project(デジタル表現研究会)がやってきました!

 D-projectとは?

 東北ではじめて開かれたこの公開研究会には、D-project会長の金沢大学・中川一史助教授はもちろん、ゲストとして熊本市立飽田東小学校の前田康裕先生、横浜市立大口台小学校の佐藤幸江先生をお迎えしての研究会となりました!

 参加者は定員の60人を超える65名!東北の先生方だけでなく北海道、九州、関西、名古屋からおいでいただいたり、企業の方、学生さんにもたくさん参加していただきました。感謝!

 今回の研究会のウリはなんといってもワークショップ!夏休み前までに実際に実践していただいた授業をきっかけにした「課題提案」にはじまり、夏休み明けの授業展開をみんなで考え、模擬授業にして提案するワークショップでした。

 皆さんのこれからの授業づくりのヒントは見つかりましたでしょうか?

 

2日間の流れ

 第1日目

時間
内容
コメント
13:00
オープニング 北川久一郎D-project事務局長
13:30
実践事例及び課題提案 ★前期に実践した先生方に課題を提案していただきました!
「環境」南小泉小学校 遠藤 浩志先生
「表現」小野小学校  加藤  滋先生          
    志津川小学校 千葉 正康先生
「交流」鹿折小学校  熊谷 久恵先生
    犬川小学校  鈴木  誠先生
    鮎貝小学校  竹田  洋先生
14:10
ワークショップ1 【計画しよう】 ★課題提案を元に、2学期の実践を目標としたプランを考えます。
 (1)はじめよう!「校内IT環境カイゼン計画」編 ・校内研修等により,授業力及びスキルアッププラン作成
 (2)あらわそう!「気軽なIT活用で表現力アップ」編 ・授業で気軽にITを使ったデジタル表現プラン作成
 (3)つなげよう!「学校間交流のはじめの一歩」編 ・交流学習授業プラン作成
15:10
企業アピールタイム ・各企業ブースでのプレゼンを参観
15:50
ワークショップ2 【検討しよう】 ★ワークショップ1の内容を検討し,深めていきました。                    。                   
18:30
懇親会(1次会)  
20:30
懇親会(2次会)・・・ ★情報教育は夜作られる・・・。

 第2日目

時間
内容
コメント
9:00 ワークショップ3 【深めよう】
★模擬授業の準備に走り回る!
10:00 提案しよう マイプラン ★模擬授業のアピールを行う。 (1グループ:1分)
10:30 模擬授業 ○1グループ15分×3ブース×3回

★各グループ:授業15分,合評会5分               
★グループのメンバーは教員及び生徒役。他は自由参観
★参観者は評価シートで評価する。

11:50 ラウンドトーク 中川先生,前田先生,佐藤先生によるスペシャルトーク!
12:20 昼食をとりながら相互評価・閉会 ★弁当を食べながらグループ毎に自由に相互評価及び自己評価                  
 

 

課題提案では?

 

はじめよう!
「校内IT環境カイゼン計画」
あらわそう!
「気軽なIT活用で表現力アップ」
つなげよう!
「学校間交流のはじめの一歩」
南小泉小学校 遠藤浩志教諭
志津川小学校 千葉正康教諭(左)
小野小学校 加藤滋 教諭(右)

鮎貝小学校 竹田洋教諭(左)
犬川小学校 鈴木誠教諭(中)
鹿折小学校 熊谷久恵教諭(右)

 遠藤先生は南小泉小学校の情報主任です。夏休みまでに学校のWebサイトに写真をアップするための加工方法などについて校内研修を企画されてきました。「わかりやすい(PCスキルの個人差への対応)」「活用しやすい(授業ですぐに使える)」をキーワードにした研修をしていきたいのですが・・・。そして校内研究は「国語の読み取り指導」。なんとか結びつけられないでしょうか?   デジタルカメラは、情報教育の第一歩として取り組みやすいメディアです。デジカメを使って子どもたちのどんな力を伸ばしていくか?千葉先生は文章と組み合わせて学校を紹介するポスターづくりの実践を、加藤先生は校内の「ふしぎな形」から自由に発想する授業を実践してみました。子どもたちの表現力をさらに引き出すには、どんなノウハウがあるのでしょうか?  山形の竹田先生・鈴木先生と気仙沼の熊谷先生は4月から3校で交流学習に取り組んでいます。1学期に出会った子どもたちは、2学期にはテレビ会議の活用、直接交流のチャンスがあります。そして環境学習、食育として交流をどう深めていこうか考えているところ。地域がちがう、学年もちがえば、学級規模もちがう。そんな「ちがい」をどう学びに結びつけていきましょうか?
 

グループごとに出来上がった模擬授業は?

はじめよう!「校内IT環境カイゼン計画」

Aグループ
ブログではじめる
情報発信+教員研修

Bグループ
誰もが使うIT機器で
誰もがなっとく国語の授業
Cグループ
北風と太陽?
2つの研修を組み合わせて
  ブログを使った学校Webサイトの構築から、コンピュータスキル、情報発信のスキルを先生方が体験的に学ぶコンセプトの提案をドラマ仕立て手でしました。

 「職員の情報スキル育成の場としてブログを活用した学校Webサイトの構築を体験的に学ぶことができた。」「一つのアイディアとして現場での活用が可能な題材だった。」といったコメントをいただくことができました。(金俊次)

●当日作成したblogサイトはこちら!

 

  南小泉小遠藤先生の提案をもとに、ITを効果的に活用した研究授業を見てもらうことで、 他の先生方へのIT活用の啓蒙を図ろうとする模擬授業 でした。

  良かった点として,誰もが校務の中で活用している「ワープロ」と「ホワイトボード」 を活用することによって,以下のような効果が期待できることを示したことです。

1.国語の授業として,大切なキーワードや文章,子どもの意見等を即色分けして示すことができる。
2.学習の履歴を残し,次時以降に生かすことができる。
3.他の教師への啓蒙として,「これなら私でも使える」と思わせることができ る。 (成瀬啓)

 校内研修をどのように仕組んでいくかを考え、「模擬授業」ではなく、 「模擬研修」の形で提案しました。 グループ内の先生の学校をモデルに、「北風型研修と太陽型研修」というキャッチコピーをもとにして研修内容を考えていきました。

 また、最後には、北風型研修と太陽型研修をリンクするように考えてみました。 ある学校をモデルにして考えた提案だけだったので、「こんなアイディアもあります」という点をつけ加えることで、「自分の学校でもできそう」と思っていただけたのではないでしょうか。(竹田啓)

●「北風」と「太陽」プレゼンはこちら!


あらわそう!「気軽なIT活用で表現力アップ」
Aグループ
おもしろい形でつくる
デジタルどうぶつえん
Bグループ
メッセージを伝える
写真の選び方
Cグループ
「え・ぽ・か」を紹介する
写真&キャッチコピーづくり

 「見つけたおもしろい形」がどんな動物に見えるのかをパソコン上で加工してアニメーションで表現する授業を計画しました。GIFアニメを使うことで、もとの写真が作品になっていく様子がよくわかって、おもしろい作品づくりと楽しい発表会ができていました。

 いただいたコメントには「デジタル動物園というアイディアで、とても楽しくわかりやすい授業になっていた。動物園というコンセプトとクイズ形式という授業の進め方がとても参考になった。」というものがありました。(佐藤勝則)

●デジタルどうぶつえん

 「写真は吟味させよう」というグループの主張が授業に反映され ていたことと「意図が伝わらない写真」を提示して検討した点です。「伝えたいことをどう伝えるか」という情報教育の大事な観点を示していただきました。

 いただいたコメントには、「写真は選び方が大事だということを、自分のクラスの子どもたちにも気づかせたいと思った。」「(授業の中で)教師が子どもの作品を実際に変えて見せて、改善点を具体的に見せるとよかった。」というものがありました。(佐藤勝則)

●皆さんの作品はこちら!(意図が伝わる写真はどれかな?)

  「え・ぽ・か」 でコピーを考える・写真を選ぶ授業構成の工夫は、条件をせばめて発想を引き出す効果があります。デジカメ写真にキーワードをのせるだけの気軽なIT活用アイデアでした。

 アンケートには「授業を変えるアイディアを
得た」という評価が、たくさんありました。いただいたコメントには「作品例をまず提示したことがよい。イメージをつかみやすく、子どもが具体的に何をするべきかはっきりおさえられると思った。子どものアイディアや発想が十分取り入れられる授業だった。」というものがありま した。(佐藤勝則)



つなげよう!「学校間交流のはじめの一歩」
Aグループ
テレビ会議で
コミュニケーション力

Bグループ
掲示板の「勘違い」から
地域の違いを学ぶ

Cグループ
対面交流で
コラボレーション
 異学年交流でコミュニケーション能力を育てるため、テレビ会議を取り入れた授業を計画しました。

 交流学習は「相手の立場を考えることだと分かった」「水生生物」に関するクイズ形式の授業構成については,実際の授業のイメージがよく分かった」といったコメントをいただきました。
(成瀬陽子)

●テレビ会議でクイズ!

 交流学習で定番となっている名産品の交換,それにともなう電子掲示板でのやりとりから,地域環境の違いに目を向けさせていくという授業を計画しました。「勘違いから学ぶ」をキーワードに,一斉授業の場面を再現しました。

 「お菓子の感想から考えを深めていく流れが参考になった。」「実物を拡大投影しながら話し合ったり,問題点を出し合ったりするかたちがよかっ た。」「全員で掲示板の内容を確認して話題を共有し,確実に全体のものにすることは大事だと思った。」といったコメントをいただきました。(菅原弘一)

●掲示板の書きこみは?

 対面交流を次の活動に活かすために、どう仕組めばよいかという授業を提案しました。
ねらいは、授業の活性化と表現力の向上です。ポイントは、ゴールを明確にすること、知りたい状況に追い込むこと、共通体験を設定することとし、地域の差を意識した新聞づくりをメインの活動にした授業を行いました。

「作品例を示したことで、イメージがつかみやすく子ども達が具体的に何をすべきかおさえられた。」「子ども達のアイデアや発想が取り入れられる授業だった。」「対面交流での新聞づくり、共同作業はいい。」といったコメントをいただきました。 (金隆子)

●サンプル作品と交流計画ポスターはこちら
●台本?プレゼンはこちら

 

ラウンドトークでは?

まとめのラウンドトークでは、佐藤幸江先生からは交流学習チームへ、前田康裕先生からは表現チームへ、中川先生からは環境チームへそれぞれポイントを示していただきました!

環境チーム : IT活用の効果と手間の軽減をセットにする、(活用したくなる)空気をつくる大切さ(難しさ)、(研修の)ターゲットはまちがっていないか?

表現チーム : 制作することでどんな力をつけるか、学習者のかかわりあいをどこに入れるか、鑑賞で満足感をどう味あわせるかがポイントになります。

交流学習チーム : 子どもの実態と教師のねらいを明確にした上で、交流のテーマ選び、途中途中のしかけを考えていくことが大事です。

 以上が、とっても熱く、とっても濃かった、D-project夏の合宿研究会inみちのくの2日間の<ほんの一端>です。参加された先生方、企業の方々、学生の皆さん、ありがたとうございました!そして今回は残念ながら参加できなかった方、また「次回」を目指して、東北では「みちのく情報教育フォーラム」と、全国ではDprojectの事務局の皆さんといっしょになって、楽しくためになる研究会をつくっていきましょう!