2007/2/24-25 みちのく情報教育フォーラム第2回研究会

みちのくの仲間と「つながろう」 子どもたちの夢を「ひろげよう

みちのく情報教育フォーラム第2回研究会in郡山
    
テーマ「楽しい! 便利! やってみたい! を学ぶ力に」



主催:みちのく情報教育フォーラム
後援:郡山市教育委員会

みちのく情報教育フォーラム2回目の研究会は福島で!

 2月24・25日 郡山の磐梯熱海温泉にある「かんぽの宿 郡山」にて、第2回のみちのく情報教育フォーラムの研究会が開催されました!昨年の山形、赤湯での実施に引き続き(前回の様子はこちら)、なぜか(?)温泉処で開催される研究会です。ちなみに前身の「2005年の教室を考える会みちのく支部」の取り組みは宮城と山形を中心に展開してきました。つまり、私たちの研究会としては福島はデビュー戦になります!いきなり合宿形式で2日間にわたるワークショップを企画しました(^^)

 今回のゲストは、聖心女子大学文学部教育学科教授の永野和男先生と、三重県 総合教育センタ ー研修支援室OJT支援グループ副室長兼研修主事の中村武弘先生。

 参加者は定員の60名満員!福島を中心とした東北の先生方だけでなく北海道、九州からおいでいただいたり、企業の方、学生さんにもたくさん参加していただきました。感謝!

 今回の研究会のテーマは、「楽しい! 便利! やってみたい! を学ぶ力に」。おおざっぱなテーマではありますがそれには理由があります。情報教育、教科指導におけるICT活用、校務の情報化と学校現場の情報化は様々な面で広がりを見せています。その結果、校内で情報関係を担当される先生、積極的にICT活用、情報教育を進めている先生方は、これらすべてを背負って活躍せざるを得ない状況にあります。そこで、本ワークショップでは参加された先生方が現在、何を課題に感じているのか、そしてそれをワークショップに参加した先生方、企業、学生のネットワークの中でどう解決していけるのか?を正面から取り組んでみることにしました。つまり、教育の情報化をめぐる様々な課題に対する問題解決力、あるいは問題に対して情報を集め、適切に対処するまさに情報活用の実践力を先生方にワークショップを通して自主トレ?していただこうという趣旨です。

 

ワークショップの流れ

場面
内容
オープニング

 今年度の代表の竹田啓先生(山形県置賜地区教育事務所指導主事)のご挨拶でオープニング。ゲストの永野先生、中村先生から一言いただいた後、稲垣から本日の進行を説明しました。

セッション1

問題を発見しよう!

 今回のワークショップでは、事前にグループ分けが決められています。申し込み時点で以下のような選択肢を設けました。

  • ICT活用を広めてみたい
  • ICT活用の効果を見極めたい!
  • 情報教育のカリキュラムをどう作るか?
  • 情報活用能力を育てる授業とは?
  • 校務の情報化
  • 学校の情報発信
  • 著作権・個人情報の扱い方
  • どれにも興味があって決められません

 いちばん最後のはともかく(いや、実はこれを選んでくださった方がいらしたおかげでグループ編成ができたのですが)、選んでいただいた課題をもとに12のグループをあらかじめ編成しておきました。各グループ3〜4名の先生方、学生から構成しています。

 まず最初に、自己紹介をかねて、各テーマについて自校の現状を紹介します。 事前に資料等何かあればもってきてください、とお伝えしていたので、皆さん、実践報告やさまざまな資料をもとに現状を紹介します。

 次に、グループ内で特にどの先生(学校)をお助けするか「ターゲット」を決めました。「教育の情報化をめぐる問題解決」といっても、一般論ではつい理想的なものになりがちで、実際に何が課題なのかどうやったら解決できるのか具体的に考えられなくなってしまいます。そこでグループの中で1人、ターゲットになる先生を決めました。

 このセッションのまとめは画用紙に問題点を箇条書きでまとめること。さらに、出来上がったらゲストのお二人に見せに行っていきなり個人指導を受けます。行列のできる情報教育相談所?状態(^^) 上記のようにさまざまなテーマに柔軟に、かつ鋭く指導していただけるゲストのお二人だからこそ実現できた企画です。

 

セッション2

解決の糸口を見つけよう

 小休憩をはさみ、セッション2では、企業からのプレゼンタイム。上記の課題に対して、どんなソリューションがあるのかアピールする時間です。ただし、時間はわずか1分間。皆さん、工夫を凝らしたプレゼンはさすがですね!!

 協賛いただいた企業の皆さん(五十音順)

 次に、企業の方はそのままブースで待ち受け、グループの先生方は各企業のブースをまわり、どの企業の方といっしょにこの後の活動を行うかマッチングをします。「パートナー」契約をする訳です。

 ここで決まった組み合わせは以下の通り。

グループ
テーマ
パートナー
A
ICT活用を広めてみたい 松下電器産業株式会社
B
ICT活用を広めてみたい 光村図書出版株式会社
C
ICT活用の効果を見極めたい! カシオ計算機株式会社
D
ICT活用の効果を見極めたい! 株式会社OTTO
E
情報教育のカリキュラムをどう作るか? スズキ教育ソフト株式会社
F
情報活用能力を育てる授業とは? 日本アビオニクス販売株式会社
G
情報活用能力を育てる授業とは? 株式会社内田洋行
H
情報活用能力を育てる授業とは? エプソン販売株式会社
I
情報活用能力を育てる授業とは? 株式会社ジェイアール四国コミュニケーションウェア
J
学校の情報発信 Sky株式会社
K
著作権・個人情報の扱い方 泉株式会社
L
校務の情報化 株式会社インフィニテック

 

セッション3

計画をたてよう

 セッション1で明確になった問題点に対して何ができるのか解決策を話し合ってまとめていきます。 ここでも「実現可能性」を意識して、以下のようなマトリクスを提示しました。

  明日からできる 学期・年間の計画を見据えて 将来やってみたい
今の環境でできること      
ツールまたは校内の同意があればできる      
ツールと校内の同意両方が揃えばできる      

 ちなみに「ツール」とは、ICT機器の場合もありますし、教材やワークシートも含めた具体的なモノ、「校内の同意」は言わずもがなですが、同意の取り方(トップダウン?ボトムアップ?)について考えることになります。

 もちろん、この表すべてを埋める必要はありません。問題に対してどのレベルでの解決を試みるのが適切なのか、また、今の課題をクリアすれば将来的にはどんな姿を描けるか、イメージを具体化するためのツールです。解決策のメリット・デメリットを吟味しながら計画(誰が、いつ、何を?)をカタチにしていきます。

ゲストトーク

 1日目のまとめ、講評とあわせて永野先生からご講演いただきました。ICTの日常的な活用の話題にはじまり、学習のメカニズム、経験を知識・概念に結びつけていくにはどんな学習が有効かといった奥深いところまでガッチリ方向性を示していただきました。


●プレゼンはこちら!

 

夜の部

 懇親会、2次会、3次会・・・・・・・??? いや〜楽しかったですね(^^) 

発表・相互評価

 翌朝、1時間の発表準備タイムの後、いよいよグループプレゼンです。今回は12グループとグループ数も多かったので会場を2つに分けて実施しました。時間は各10分。中村先生と稲垣でそれぞれ進行、講評をしつつ進めていきました。プレゼンでは

  • どんな課題
  • どうやって解決するか?
  • 留意点・ポイントは何か

 を明確にすることを目標としました。発表ではICT機器を駆使するグループ、模造紙に計画をまとめたグループ、画用紙を使って寸劇までつくってしまったグループもあり、大変盛り上がりました!また、他のグループの発表を聞いている際は、コメントカードを配り、質問・感想等を集めました。

ゲストトーク2
 

 最後に、中村先生からの講評を交えてご講演いただきました。普及を目指した校内研修のヒケツ、ICTを活用した授業研究の取り組み紹介、さらにはみちのくの先生方への熱いメッセージありで参加者全員が元気になるお話ありがとうございました!

●プレゼンはこちら!

 

皆さんのプレゼンはこちら!

グループA
グループB
グループC

ICT活用を広めてみたい
●プレゼン(PDF)

ICT活用を広めてみたい
●プレゼン(PDF)
ICT活用の効果を見極めたい!
●プレゼン(PDF)

グループD

グループE

グループF

ICT活用の効果を見極めたい!
情報教育のカリキュラムをどう作るか?
●プレゼン(JPEG)
情報活用能力を育てる授業とは?
グループG
グループH
グループI
情報活用能力を育てる授業とは?
●プレゼン(PDF)
情報活用能力を育てる授業とは?
●プレゼン(PDF)
情報活用能力を育てる授業とは?
●プレゼン(PDF) ●資料(PDF)
グループJ
グループK
グループL
学校の情報発信
●プレゼン(PDF)
著作権・個人情報の扱い方
●プレゼン(PDF)
校務の情報化
●プレゼン(PDF)

 

アンケートから

 当日配布したアンケートの結果をご報告します。回答は全部で38名。ご回答いただいた皆様ありがとうございました!

  まずは今回の研究会に参加したきっかけについて。知人からの紹介とすでにみちのくフォーラムの参加者だった「ML参加者」が圧倒的ですね。チラシが0件というのは・・・(涙)。配布先、タイミングなど検討していく必要がありますね。

 

 

 

 

 

 

 次に、本研究会に参加するにあたって「期待していたこと」、参加した結果「学べたこと」、そして「これから学びたいこと」を以下の選択肢で1〜3位まで挙げていただきました。

情報活用 情報活用能力の育成方法を知りたい
企業交流 企業の方との情報交換
機器操作 機器・ソフトウェア操作のスキルアップ
情報モラル 情報モラルの育成方法を知りたい
振り返り 自分のこれまでの授業を振り返るため
教師交流 教師同士のネットワークづくり 
ICT授業 ICTを使った授業づくりのヒントを得たい
ICT環境 校内のICT環境を改善するヒントを得たい      
ICT事例 すぐ使えるITを使った授業アイディアが欲しい
校務IT 校務の情報化についてヒントを得たい

期待していたこと
結果学べたこと
これから学びたいこと

 もっとも多いのが「ICTを使った授業づくりのヒントを得たい」。教師間のネットワークづくりへの期待も大きいですね。

 

 

 企業の方との交流はなかなかチャンスの少ないこともあり、多くの方に新鮮だったようです。教師交流、ICTを使った授業のヒントも見つかったようですが、「情報活用能力の育成方法を知りたい」が今一歩ふるわず。次回への課題ですね。  これから学びたいことでもICTを使った授業のヒントはまだまだ強いですね。その一方で、情報活用能力の育成、校内のICT環境、校務の情報化といったトピックに期待が集まっています。これは次回に向けた大きなヒントになりそうですね!

 せっかくなので3つを比較してみましょう。このグラフでは1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントにして合計しています。

 大まかな変容は上の表で述べた通り教科におけるICT活用への関心が高いですが、やはり情報教育と校務のIT活用に期待が集まっているところは注目です!

 

 

 

 

 

おわりに

 はじめての福島開催でしたが、参加人数、協賛企業とも最大規模で大いに盛り上がりました。阿部先生をはじめ実行員の先生方、お疲れ様でした!!!! 

 みちのく情報教育フォーラムでは、このような研究会をこれからも定期的に開催していきたいと考えています。情報教育、ICT活用を学校にどう根づかせていくか?他校、他県の先生方とのネットワークを通じて、みんなで考えていきましょう!

 「私の県で研究会やってみたい!」とリクエストがあれば、実行委員を組織し、よってたかって企画します。開催地の先生方がやってみたいテーマを、呼んでみたいゲストを招待して、オーダーメードのワークショップを提供していきます。逆に言えば、皆さんの中から「またやりたいね!」「ぜひウチのところで!」といった声が無ければこのフォーラムは続きません。

 参加された先生方、企業の方々、学生の皆さん、そしてゲストの永野先生、中村先生、ありがたとうございました! そして今回は残念ながら参加できなかった方も、次回の「みちのく情報教育フォーラム」でぜひまたお会いしましょう!

 


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