セサミ・ストリート研究30年
"G" IS FOR GROWINGを読もう!

 セサミ・ストリート研究30年をまとめた「"G" IS FOR GROWING」を読む研究会を開きました。教育用コンテンツをどのように開発,分析,評価するか。教育向けのTV番組の中でも,世界中で成功をおさめた,大御所,セサミ・ストリー トに関するさまざまな研究をまとめた"G" is for Growing"を読みあう中から学べるものを探っていこうというのが,本研究会の目的です。

 1969年から放送のはじまったセサミのスゴイところは,上の図に描かれているとおり,番組の制作者(Producer),教育内容の専門家(Contents Specialist),調査研究者(Researcher)が強力なチームを作り,教育のための番組づくりをしたことにあります。番組の制作過程で調査を繰り返し,番組をよりよいものに高めていったFormative Researchと,番組の効果を外部機関が調査したSummative Researchによって,セサミは高められ,確かめられながら,大きな成果をあげていったのです。

 セサミを制作したCTW(Children's Television Workshop:現在のSesame Workshop)は,番組制作者と研究者が同居した組織でした。彼らの言葉から,よりよい教育番組のヒケツを学んでみましょう!教育番組の評価はどのように,何をしたらいいのかを考えてみましょう!



文献について

Shalom M. Fisch and Rosemarie T. Truglio(2001),"G" IS FOR GROWING Thirty Years of Research on Children and Sesame Street,LAWRENCE ERLBAUM ASSOCIATES
を参加者で分担して読みます。ちなみにamazonから注文したところ,3週間ほどかかりました。

関連図書


参加者

担当
名前
所属
intro
稲垣忠 東北学院大学
1
稲垣忠
関西大学(当時)
2
中原美和 NHKエデュケーショナル
3
中原淳 NIME
4
川端千晶 富士ゼロックス
5
寺嶋浩介 関西大学
6
服部里衣子 NHK教育番組部
7
加藤友香 ヤマハ
8
三輪勉 富士通ラーニングメディア
9
中橋雄 関西大学
10
内垣戸/松本 金沢大学/関西大学
11
大橋幸子 リクルート
12
宇治橋裕之 NHKエデュケーショナル
13
亀井美穂子 関西大学
Afterword
佐藤/吉田 甲南女子大学
Observer
上田信行 甲南女子大学
Observer
小平さち子 放送文化研究所
Observer
田口真奈 NIME
Observer
桑山裕明 NHK
Observer
竹内慎一 NHK


日程

1月末日
参加者,担当決定  
2月中
レジメづくり MLで相談も受け付けます。皆さんがんばって!
2月末 参加日,懇親会の出席 メールで受け付けます。
3月10日
レジメ提出 A4で2枚以内におさめてください。
3月16日
第1回研究会  
3月23日
第2回研究会  
4月12日 第3回研究会 最終回!NHKデジタル教材の評価とあわせて
4月末 ホームページ公開  



研究会の記録



目次&担当 (クリックするとレジメを見ることができます。これを見ればアナタも本書を読破したも同然?)

Intro
Introduction
  セサミのプロフィールと本書の構成
稲垣
Part I: Integrating Research and Educational Content Into Production.
1

The Beginnings of Sesame Street Research.
 セサミストリートの初期の制作状況と社会背景。番組制作者と研究者とのコラボレーションが どのように生まれ,成功したのか。

稲垣
2
Creation and Evolution of the Sesame Street Curriculum.
  セサミストリートのカリキュラムはどのようにして作られ,変遷していったのか。行動目標の明確化
中原美和
3

Formative Research Revealed: Methodological and Process Issues in Formative Research.
 Formative Evaluation(形成的な評価)を実施する際の方法論とプロセスの問題

中原淳
4

The Varied Role of Formative Research: Case Studies From 30 Years.
 セサミストリートにおけるケーススタディ。科学、読み書き能力、人種、社会生活のテーマごとの調査事例。

川端
Part II: Impact of Sesame Street.
5

A Review of Research on the Educational and Social Impact of Sesame Street
  これまでのセサミ評価研究の歴史について。研究の変遷。対象の分け方をどのようにするか。何をどういう方法ではかろうとしているか、というような評価の実際。

寺嶋
6

The Early Window Project: Sesame Street Prepares Children for School.
 90-93年にCRITCによって実施された,2-7歳児を対象にした視聴頻度,家庭環境,スキルテストについての調査。

服部
7
Does Sesame Street Enhance School Readiness?: Evidence From a National Survey of Children.
 93年にNHES(国立中央統計西部事務局)が実施した調査。就学前児童の視聴傾向,学力,小学校に進んでからの影響など
加藤
8

Sesame Street Viewers as Adolescents: The Recontact Study.
 80年代の視聴効果に関する研究⇒高校生になってからの追跡調査

三輪
Part III: Extending Sesame Street: Other Settings, Other Media.
9
The World of Sesame Street Research.
 セサミの世界進出のための制作,調査の実際。特に調査に着目。
中橋
10

The Role of Sesame Street-Based Materials in Child-Care Settings.
 保育現場におけるセサミ関連教材の活用。番組-幼児の間で保育者が どのような役割を果たすのか。

内垣戸/松本
11
Carrying Sesame Street Into Print: Sesame Street Magazine, Sesame Street Parents, and Sesame Street Books.
大橋
12

Interactive Technologies Research at Children's Television Workshop.
  CTWの双方向メディアへの対応。5つの調査方法とは?

宇治橋
Part IV: Conclusion.
13

Why Children Learn From Sesame Street..
 結論。セサミが成功した9つの要因。親の役割,新しいメディアとセサミの未来とは?

亀井
Afterword
Afterword
 後書き&著者紹介
吉田/上田

 


 

参考リンク